人は日々生活の中で思考を巡らせています。
なかでも「問題解決」にあたっては、かなりの時間と集中力を使っています。
「問題解決」とは、例えば「会社の売上を上げるためにどうするか」「どんな製品を開発するべきか」などという事柄について考えることです。
皆さんはそういった時にどういった行動をとっているでしょうか。何でもかんでも一から考えていくことは効率的とは言えません。
人の思考には2通りあり、人それぞれにあう思考法があります。それを知っておくと、考える必要が生じたときに効率的に進めることができます。
本日は2つの思考法を用いて「限られた時間の中でいかに問題を効率的に解決していくか」という点について解説していきます。
目次
2つの思考法
思考法というとよく聞くのが、「ロジカルシンキング」だと思います。
論理的思考とも訳され、垂直思考、収束的思考とも言います。
物事を論理的に考えることは、よくコンサルタントや営業といった職業に必要な思考法の基本として紹介をされます。
日本人は比較的ロジカルシンキングに向く人が多いようです。
逆に、クリエイティブな職業、例えばコピーライター、デザイナーなどに必要と言われるのが「ラテラルシンキング」です。
水平思考、拡散的思考とも言います。どのように活用すればよいかという点について、それぞれ解説していきます。
ロジカルシンキング
ロジカルシンキングとは、一つの問題に対して深く考えて答えを導き出すことです。
収束的思考というくらいですので、一つの問題に対して収束的に考えることで、難しい問題について考えるときなどはこういった方法で考えます。
ロジカルシンキングの基本は、「なぜ」の積み重ねと、mece(ミーシー)であることです。
ある問いに対して、それはなぜか?を重ねていくことで本質を知ることと、meceとは、重複がなく漏れもないことです。
ロジカルシンキングを用いるメリットは、問題の本質を捉えて具体的に解決をしていくことができる点です。
突き詰めていけば、効率性と生産性の向上につながるでしょう。
ロジカルシンキングはトレーニングで覚えることができます。一番の近道は日々の生活をフレームワークで考えて
いくことです。
例えば、あるお店の儲けを考えるときに、(客単価+来客数=売上)から(仕入れ費+販管費=原価)引くことで計算をする。
というように階層ごとに分解して考えてみる癖をつけると、何に対しても深く考えることができるようになります。
ラテラルシンキング
ラテラルシンキングとは、ある物事に対して様々な観点から考えることです。
答えは一つになるとは限りません。いくつもの答えを出していき最適解を探っていくのです。ロジカルシンキングとは対照的に前提にとらわれない柔軟な発想が特長です。
ラテラルシンキングのメリットは、創造的な発想により既存の物事にイノベーションを起こすことができ、今までになかった結論を出すことができる点です。
大きくしたり、小さくしたり、つなげたり、入れ替えたりと様々な観点で物事を捉えていくことで今まで見えていなかったものが見えてくるということができます。
また、ラテラルシンキングはトレーニングで鍛えることができます。
例えば、「コップ」の使い方を「飲み物を飲む」以外で考えてみる、「タオル」を「拭く」以外で活用する方法を考える、といったように固定概念に捉われない発想をすることが大切です。
「電話」を「固定」から「携帯」に変えたこと、さらに「電話する機械」としてでなく、さまざまな用途に使える「スマートフォン」に進化させた点はそういった発想の象徴だといえます。
2つの思考の使い方
ここまで解説した2つの思考法は、上手く使い分けることで様々な問題解決に力を発揮します。
しかし、注意点もあります。
一つは、この思考法を同時に使うことはできない点です。
互いにメリット・デメリットを補い合う「補完関係」にあるのですが、そのため同時にこの思考法をすることはできません。
ですので両方を使う場合は、うまく使い分ける必要があるのです。
またもう一点、人はそれぞれの思考法で「得意」「不得意」があり、自分一人でどちらも使い分けるのはトレーニングをしたとしても非常に困難であるといえます。
そこで考えられる解決策は、自分の得意な考え方を知り、それを補うように環境を整えると効率的に考えることができる。ということです。
つまり、自分一人で事業を行っていくのであれば、自分の思考タイプに合う仕事を行うべきで、チームを組めるのであれば、自分の不得意な部分を補ってくれる人を同僚に選ぶこと。
そうすることで仕事の効率と生産性を上げることができるのです。
まとめ
本日は仕事の効率化と生産性向上に活かせる思考法を解説しました。
今の社会は様々な問題であふれており、限られた時間の中でそれをどれだけ「効率的」にこなしていけるかが「できる人」「できない人」の分かれ目になるとも言えます。
人は「考える葦である」という言葉もあるように、考えることは我々の特権であり強みです。皆さんも、その強みを最大限に活かせるように思考法について考えていただければと思います。
最後にいくつか参考になる書籍を紹介しておきます。