最近、身近になってきている「ヴァーチャルリアリティ(VR)」
これからはさらに「私たちの生活への影響」を増していくと考えられています。
今回は、そんなVR業界にはどのようなプレイヤー(企業)が関わっているのか確認しつつ、どういった影響が出てくるかを考察します。
VR業界をカオスマップで一覧化
カオスマップとは、その業界に属するプレイヤー(企業)をカテゴリー別にまとめて一覧にしたものです。
今回はVR業界についてですが、これはいろいろな業界で作られており、自社の競合企業・関連企業が理解できるツールになっています。なお、カオスマップは和製英語で、英語では「インダストリーランドスケープ」などと言います。
VR業界の一覧
「AR・VR業界」の米ベンチャーキャピタルファンド「The Venture Reality Fund」が、毎年、世界のVR市場を一覧化したカオスマップを公開しており、現在は「2018 VR Industry Landscape」が最新版として公開されています。
このランドスケープは大きく3つのカテゴリ「アプリケーション/コンテンツ」「ツール/プラットフォーム」「インフラ」があり、その中でさらにジャンルごとに細かく分類されています。以下が「2018年版」です。
これだけ見てもわかるように全世界で数多くの企業が参入しています。もちろん「Google」「Microsoft」など、私たちに身近な企業もありますが、聞いたことのない企業もかなり多いのではないでしょうか。
こちらは「2017年版」です。「2017年版」と「2018年版」を比較すると、「アプリケーション/コンテンツ」のカテゴリ、特に「ゲーム」「エンタープライズ(BtoB)」が増えています。
さらに「2016年版」を見ると、2016年時点の参入企業はあまり多くなく、ここ2~3年で爆発的に参入企業が増えていることがわかります。まさにリアルタイムで成長をしている産業ということです。
また、この一覧を見比べると、まずは「インフラ」が整って、次に「ツール/プラットフォーム」が開発されて、その後「アプリケーション/コンテンツ」が制作されることで、我々の元に本格的に届いてくるという流れがよくわかります。
なお別で出されているものですが、2017年に「日本のVR業界」を一覧化したデータもありましたので貼っておきます。これを見ると、より私たちの生活との関連性がわかると思います。
有名なところでは、リアルに没入感がある「プレイステーションVR」や、「YouTube」で360度動画を見られるようになったことで広がりを見せています。
最近では手軽にVRを(簡易的に)体験できる「ハコスコ」「RICOH THETA」などが話題です。「ハコスコ」とはスマホにVR動画を流して「ハコスコ」で見ると簡易的に体験をできるというものです。
VR市場の発展
上述の通り「VR業界」のプレイヤーについて見てきて、どのくらいの企業が参入しているかがわかりました。参入者が増えていることはわかりましたので、続いては具体的にどの程度伸びているのかを考察します。
市場の予測
米リサーチ会社の「Superdata」によると2018年現在では日本円で約「5,000億円」の市場規模ですが、2021年には約「2兆1,000億円」の市場になると予測がされています。2018年時点では、ハードウェアの占める割合が75%ですが、今後ソフトウェアの占める割合も増えてくるということです。
ちなみに隣のグラフも注目です。「AR・MR市場」は2021年に「VR市場」を上回る約「2兆2,500億円」という予測がされています。
AR(拡張現実)では「スマートフォンのさらなる利用性向上」、MR(複合現実)では、マイクロソフト「ホロレンズ」のようなハイエンドデバイスの進化により、あらゆる分野での活用が期待されています。
日本における市場状況
日本では、「AR」を取り入れて、いち早く流行をした「ポケモンGO」や「SNOW」に続き、徐々に広がりを見せている「VR市場」。東京都新宿では「VRの体験施設」も誕生しました。
しかし、爆発的な伸びを起こすには、人々がもっと身近に感じることができる必要があります。「VR」の課題は、ヘッドセット等がないと本当の意味での没入感を得られない点です。
簡易的には、上述した「ハコスコ」や360度カメラの「RICOH THETA」などで個人でも楽しめるレベルにすることができますが、まだ一部のいわゆる「アーリーアダプター(新しい技術を早い段階で採用する人)」までしか届いていない状況です。
今後の発展にむけて
では今後発展をしていくにはどうすればいいのか。
一概には言えませんが、一つは個人にとっての「採用・導入」のハードルを下げることです。「ポケモンGO」や「SNOW」が無料アプリとして人気が出たように、だれでも自由に利用できるというのはハードルが最も低いことです。
また、その機能だけを推すのではなく、利用することによってどういったメリットが出るかを明確にすることも重要です。別の記事で書いた「3Dデジタルオープンルーム」も時間の有効活用というメリットを押し出しています。
このように「VR市場」は、まだ広がりきっていないですが、それは逆に成長の余地があるということです。私はこの先10年で確実に成長する分野だと考えていますので、今後も積極的に記事にしていきたいと思います。
本日は以上です。
ありがとうございました。